「共生型ショートステイ」とは? ── 高齢者も障がい者も受け入れる新しい短期入所のかたち
共生型サービスが生まれた背景
2018年の介護保険法・障害者総合支援法の同時改正により、「共生型サービス」が正式に制度化されました[1]。これは、高齢者向けの介護保険サービスと障がい者向けの障害福祉サービスを、同じ事業所で一体的に提供できるようにする画期的な制度です。それまで、日本の福祉制度は「高齢者は高齢者の施設へ」「障がい者は障がい者の施設へ」と、縦割りの構造が当たり前でした。
しかし、現場の実態はもっと複雑です。障がいのある方が高齢になれば介護も必要になりますし、高齢のご夫婦のうち一方が認知症、もう一方が身体障がいというケースも珍しくありません。制度の枠組みに人を合わせるのではなく、目の前にいる人の暮らしに制度を合わせる。その理念から生まれたのが共生型サービスです。
制度化のきっかけとなったのは、全国各地で先行的に実践されていた「富山型デイサービス」のような取り組みでした。そして福島県郡山市でも、制度化に12年も先駆けて共生型の実践を続けてきた施設があります。宗德グループのヴィラきみかげ荘です。
ヴィラきみかげ荘の20年の実践
ヴィラきみかげ荘は、福島県郡山市安積町成田に位置する52床のショートステイ施設です。2006年の開所以来、高齢者と障がいのある方が同じ屋根の下で暮らし、それぞれの状態に合わせたケアを受けてきました。共生型サービスが法律で認められるよりずっと前から、「分けない支援」を信念として実践してきたのです。
施設名の由来には深い想いが込められています。所在地の古称「車戸川原(くなとかわら)」にちなんだ「きみかげ」に草冠を添えると「君影草」、すなわちスズランの花になります。スズランの花言葉は「Return of happiness(再び幸せが訪れる)」。ご利用者が笑顔を取り戻せる場所でありたいという創業者の願いが、この名前に凝縮されています。
開所から約20年が経ち、のべ数千名の方をお迎えしてきました。高齢者と障がいのある方が同じ食堂で食事をし、同じリビングで過ごす日常は、ヴィラきみかげ荘にとって当たり前の光景です。高齢の方が若い障がい者の方に声をかけ、障がいのある方が高齢者の車椅子を押す。そうした自然な助け合いの中から生まれる温かさは、制度設計だけでは実現できないものです。
共生型ショートステイの具体的な仕組み
共生型ショートステイとは、介護保険の「短期入所生活介護」と、障害福祉の「短期入所」を一つの施設で提供するサービスです。ヴィラきみかげ荘では、要支援1から要介護5の高齢者の方、そして障害支援区分をお持ちの障がい者の方を、同時にお受け入れしています。
利用期間は原則として数日から最大30日程度[2]。ご家族の休息(レスパイトケア)、退院後の一時的な受け入れ、在宅介護の合間の定期利用など、目的に応じて柔軟に対応できます。費用は介護保険・障害福祉サービスの自己負担分で、1日あたり1,000円から3,000円程度が一般的です。所得に応じた減額制度も利用できるため、経済的な負担は比較的軽く抑えられます。
ヴィラきみかげ荘では、利用者一人ひとりにケアプランを作成し、食事・入浴・排泄の介助はもちろん、レクリエーション活動やリハビリテーション、生活相談まで包括的に対応しています。とりわけ大切にしているのは、ご本人の「いつもの生活リズム」をできるだけ崩さないこと。自宅での過ごし方を丁寧にヒアリングし、施設でも同じような時間の流れで過ごしていただけるよう配慮しています。
「年中無休・24時間」が意味すること
介護の必要は、曜日や時間を選びません。金曜の夜に主介護者が体調を崩すこともあれば、年末年始に転倒事故が起きることもあります。ヴィラきみかげ荘が年中無休・24時間体制を維持しているのは、そうした「突然」に対応するためです。
宗德グループは「介護の駆け込み寺」を掲げています。困ったときに電話をしたら「今日は営業時間外です」と言われてしまったら、そこで行き場を失ってしまいます。だからこそ、365日いつでも相談を受けられる体制を整えているのです。夜間でも看護師とケアスタッフが常駐し、医療機関との連携体制も確保しています。
特に首都圏で在宅介護を続けているご家族にとって、「いざというときに頼れる先がある」という安心感は計り知れません。遠方のご家族からのお電話にも生活相談員が丁寧に対応しますので、まずはお気軽にご連絡ください。
ご家族が共生型ショートステイを選ぶ理由
多くのご家族がヴィラきみかげ荘を選ぶ理由として挙げるのが、「高齢の親と障がいのある子どもを同じ施設で見てもらえる」という点です。いわゆる「8050問題」に直面しているご家庭では、80代の親御さんの介護と50代の障がいのある方の支援を別々の施設で手配しなければなりません。それだけでも大きな負担ですが、共生型であればワンストップで受け入れが可能です。
また、レスパイトケア(介護者の休息)としての利用も多く見られます。毎日の介護に疲れたとき、冠婚葬祭や旅行のとき、自分自身の通院や体調不良のとき。短期間でもプロに任せることで、在宅介護を長く続けるための「息継ぎ」ができます。
さらに、宗德グループの強みは4拠点の連携です。ショートステイ利用中に、日中は離庵で活動プログラムに参加したり、将来的に檀(グループホーム)や葵水ケ花(特養)への移行を視野に入れた相談ができたりと、利用者の状態変化に応じてシームレスに次の支援へ進める体制が整っています。
共生型の「これから」── 制度と現場の未来
2025年の介護報酬改定でも共生型サービスへの加算が拡充されるなど、国の政策としても共生型の推進は明確な方向性となっています。高齢化と障がい者支援の両面で人材不足が深刻化する中、限られた資源を有効に活用できる共生型モデルへの期待は年々高まっています。
しかし、制度があっても実践できる施設はまだ多くありません。高齢者ケアと障がい者支援の両方に精通したスタッフの育成、異なる報酬体系への対応、利用者間のコミュニケーション支援など、運営上のハードルは決して低くないからです。ヴィラきみかげ荘が20年にわたって積み重ねてきた知見と経験は、全国的に見ても貴重な実践例と言えます。
宗德グループは今後も、葵水ケ花の2027年共生型特養39床への拡大をはじめ、共生型サービスのさらなる充実を図っていきます。「分けない支援」が当たり前になる社会を目指して、現場から発信し続けます。
まずはお気軽にご相談ください
共生型ショートステイについて、「うちの場合も使えるの?」「費用はどのくらい?」「急な利用はできる?」など、どんな小さな疑問でも構いません。宗德グループの生活相談員が、ご家族の状況に合わせて丁寧にお答えします。
「介護の駆け込み寺」── この言葉を覚えておいてください。困ったときにまず思い出していただける存在でありたい。それが宗德グループの願いです。お電話は024-947-4591(ヴィラきみかげ荘直通)まで。
関連記事
- 厚生労働省「福祉・介護 共生型サービス」公式ページ
- 厚生労働省「サービスにかかる利用料(短期入所生活介護)」介護サービス情報公表システム