障がいのある我が子と老いる親 ── 共生型だから両方受け入れられる
「親亡き後問題」── 障がい児を持つ家族の最大の不安
障がいのあるお子さんを育てるご家族にとって、最大の不安は「親が亡くなった後、この子はどうなるのか」── いわゆる「親亡き後問題」です。特に、両親が高齢になり、介護が必要な状態になりつつある中で、障がいのあるご子息のケアも並行して必要というケースは、首都圏でも増えています。
「老老介護」ならぬ「老障介護」── 高齢の親が、中高年になった障がいのあるお子さんをケアし続ける状況です。親自身が要介護状態に近づいても、子のケアを誰にも託せない不安は、ご家族の心を深く重くします。
縦割り制度の壁
日本の福祉制度は長らく、「高齢者は介護保険」「障がい者は障害福祉サービス」と縦割りで運用されてきました。両者を同じ施設で受け入れることは制度的に難しく、結果として、「親は特養、子は障害者支援施設」と離れ離れの暮らしを選ばざるを得ない、というご家族も多くいらっしゃいました。
しかし2018年4月、介護保険法と障害者総合支援法が同時に改正され、「共生型サービス」が正式に制度化されました[1]。同一事業所で、高齢者・障がい者・障がい児が同じ空間でサービスを受けられる仕組みです。
共生型サービスとは ── 制度の中身
共生型サービスの対象となるのは、訪問介護(ホームヘルプ)・通所介護(デイサービス)・短期入所(ショートステイ)の3類型です。介護保険または障害福祉のいずれかの指定を受けた事業所が、もう一方の制度の利用者にも同じ空間でサービスを提供できます。
これは単なる「同居」ではなく、目の前の人の暮らしに合わせて制度の境界線を柔軟に超えるアプローチ。年齢や制度区分ではなく、その人の必要に応じたケアを提供する ── 福祉の在り方を根本から問い直す制度改革でもあります。
ヴィラきみかげ荘 ── 制度に12年先駆けて
ヴィラきみかげ荘(福島県郡山市)は、共生型サービスが制度化される12年も前の2006年から、共生型ショートステイを実践してきました。「目の前にいる人の暮らしに合わせる」── その理念が、制度の方を後から追いかけてきた形です。
52床の施設に、ご高齢の方も、障がいのある方も、若年の方も、混じり合って短期入所されます。スタッフは双方のケアに精通しており、認知症ケアと知的障がい・身体障がいケアが同じ空間で展開されます。
親子で同時にショートステイ
「障がいのある子と高齢の親を同時に1週間預けたい」── そうしたご家族のご相談も、ヴィラきみかげ荘なら対応可能です。親子それぞれが共生型ショートステイの利用契約を結び、同じ施設で過ごせます。
ご家族にとっては、まとめてケアを依頼できるメリットがあり、ご本人たちにとっても「いつも一緒にいる家族と離れ離れにならない」という安心感があります。これは、別々の施設では決して実現できない共生型ならではの強みです。
「親亡き後」を見据えた長期プラン
将来、ご親が亡くなった後の障がいのあるご子息のケアプランも、宗德グループ全体でサポートできます。障害福祉サービスの離庵(生活介護・定員30名)、檀(共同生活援助)、ショートステイ ── 通所から入所、緊急対応まで、ライフステージに応じて切れ目なく支援が続きます。
「最初はヴィラきみかげ荘でショート → 慣れたら離庵で生活介護 → 親の状況によっては檀で共同生活」というように、状況に応じた柔軟な移行が可能です。
65歳の壁を共生型で乗り越える
障がい者の方が65歳に到達すると、原則として介護保険サービスが優先される「介護保険優先原則」(障害者総合支援法第7条)があり、慣れ親しんだ障害福祉サービスから介護保険サービスへの切り替えが求められます[2]。サービス内容や事業所が変わることで、本人の混乱や生活の質の低下が起こることがあり、「65歳の壁」と呼ばれてきました。
共生型サービスでは、同じ事業所が両方の指定を受けているため、利用者は65歳になってもそのまま同じ場所・同じスタッフでケアを受け続けられます。宗德グループも、この壁を実質的に取り払う体制を整えてきました。
首都圏のご家族から ── ご相談事例
「東京で50代の知的障がいのある息子と暮らす70代の母。母自身も最近介護が必要になりつつある」というご相談が増えています。共生型のヴィラきみかげ荘なら、お母様のレスパイト目的のショートと、息子さんの障害福祉ショートを同時に受け入れることが可能です。
ご家族にとっては、ケアマネ・相談支援専門員・施設の3者連携が一括でできる安心感があります。それぞれを別の事業所に依頼する手間も省けます。
「同じ空間で暮らす」── 偏見を超えて
「高齢者と障がい者が同じ空間で暮らすことに抵抗がある」というご質問もいただきます。けれど、ヴィラきみかげ荘の20年の実績から見えてきたのは、むしろ双方が良い影響を与え合うということです。
障がいのある若い方が、高齢者の話し相手になる。高齢者が、障がいのある方を孫のようにかわいがる。スタッフが意図しない自然な交流が、認知症の方のBPSDを和らげ、障がいのある方の社会性を育てる ── 共生型でしか得られない場の力があります。
ご相談から始めましょう
障がいのあるお子さんを抱えるご家族、老障介護に悩むご家族、「親亡き後」を案じるご家族 ── どの段階のご相談でも、宗德グループの生活相談員と相談支援専門員がチームで対応します。電話・メール・対面、ご都合に合わせてご利用ください。