認知症の進行段階別・施設選び完全ガイド──軽度MCIから重度BPSDまで
認知症は「進行段階」で必要な施設が変わる
認知症と診断されても、すぐに介護施設に入れる必要はありません。進行段階によって、必要な支援も最適な施設も大きく異なります。
本記事では、軽度認知障害(MCI)から軽度・中等度・重度・終末期まで、それぞれの段階で考慮すべき施設タイプを解説します。
MCI(軽度認知障害)の段階
MCI(Mild Cognitive Impairment)は、認知症の前段階。物忘れはあるが日常生活には大きな支障がない状態です。介護保険の対象にはなりにくいですが、予防活動と早期介入が認知症発症を遅らせることが研究で示されています。
この段階での選択肢:①かかりつけ医・物忘れ外来の継続受診、②地域の介護予防教室・通いの場、③要支援1〜2の認定を取って予防型デイサービス。施設入所はまだ早く、在宅で生活リズム・社会参加を維持することが優先です。
軽度認知症(要介護1〜2相当)
軽度認知症は、日常生活の一部に支援が必要な段階。買い物・金銭管理・服薬管理に困りごとが出始めます。家族同居なら在宅継続も十分可能ですが、主介護者の負担を見据えて早めにサービスを使い始めるのが鉄則です。
選択肢:①在宅+デイサービス(週2〜5回)、②認知症対応型デイ、③ショートステイ(月数日〜)でレスパイト、④認知症対応型グループホーム(家庭的環境で5〜9名の共同生活)。グループホームは認知症ケアに特化しており、専門スタッフが常駐します。
中等度認知症(要介護2〜3相当)
中等度になると、徘徊・夜間不穏・暴言・介護拒否などのBPSD(行動・心理症状)が顕在化します。在宅介護の負担が一気に増し、ご家族の限界を超えるケースも。
選択肢:①グループホーム長期入所、②特別養護老人ホーム(要介護3以上)、③共生型ショートステイで一時避難。特養待機が長い場合は、広域入所で他県の空床ある特養を検討する価値があります。
重度認知症(要介護4〜5相当)
重度になると、コミュニケーション・歩行・食事も困難になり、日常生活全般に介護が必要です。BPSDも強く、在宅介護はほぼ不可能になります。
選択肢:①特別養護老人ホーム長期入所、②介護医療院(医療ニーズが高い場合)。重度の方を受け入れるには、夜間の見守り体制・医療連携・医療的ケア(喀痰吸引等)の対応が必要です。詳しくは医療連携が手厚い特養の選び方もご覧ください。
終末期(看取り段階)
認知症の最終段階では、嚥下機能の低下・経口摂取困難・寝たきりとなります。この段階では「治療」より「QOL」「ご本人の好み」「ご家族の時間」を優先するケアが選ばれます。
選択肢:①特養での看取り(看取り介護加算対応)、②ホスピス、③在宅ホスピス。ホスピスケアとはの記事で詳しく比較しています。葵水ケ花は看取り介護加算対応で、長期入所からそのまま看取りまで一貫対応できます。
BPSDへの環境ケアアプローチ
認知症のBPSD(不安・徘徊・暴言・介護抵抗)に対しては、日本神経学会のガイドラインで非薬物的介入が第一選択とされています。薬で抑えるのではなく、環境調整・なじみのスタッフ・自然光・季節感などでアプローチするのが基本です。
宗德グループの葵水ケ花は、栃木県那珂川町の自然環境を活かした認知症ケアを実践しています。詳しくは那珂川町の自然と認知症ケアの記事をご覧ください。
グループホームと特養の使い分け
認知症ケアでよく迷うのが「グループホーム vs 特養」。
グループホーム:5〜9名の少人数・家庭的環境、認知症特化、要介護度が上がっても継続可能だが看取り対応は施設による。月額12〜20万円。
特養:50〜100名、看取り対応、医療連携、月額5〜15万円(軽減制度活用で)。
「家庭的な環境を最後まで」ならグループホーム、「医療と看取りを安定的に」なら特養が向きます。両方のショート利用で比較するのも有効です。
「相談しながら段階的に」が安心
認知症は数年〜10年以上かけてゆっくり進行することが多く、施設選びも段階的に見直すのが自然です。今の段階で完璧な選択をする必要はなく、「次の段階が近づいたら見直す」前提で動くと心が軽くなります。
宗德グループは、軽度から終末期までグループ内で連続的に支援できる体制を持っています。「いまの段階だとどこが合うか」というご相談だけでも歓迎します。